〈10日目〉日本縦断バイク旅―北関東・東北地方編
岩手一関~宮城白石市(走行距離200km)
岩手県の一関城跡を見学後、猊鼻渓へ行く。
奇岩絶壁が織りなす渓流を見ながら、船頭さんの「げいび追分」に耳を傾ける。
自然景観を堪能した後は、宮城県の仙台市、白石市へと走る。
最後は、湯治場の雰囲気の残る「鎌先温泉」へ向かう旅である。
釣山公園(一関城跡)を訪れる
2017年7月19日(水)晴れ。一関のホテルを9時に出発。
近くの釣山公園(一関城跡)を見学。
現在、市民の憩いの公園となっているが、除草作業の人以外、誰もいない。
一関城は、かつて仙台藩の支藩として一関市釣山にあった城。
丘陵で近隣を見通せることから、軍事上の要塞として利用されている。
城というよりも館(陣屋)に近いもので、堀を巡らすこともなく、本丸に天守も造られなかったようである。
城跡と知らなければ、小高い山にしか見えない。
城特有の石垣を期待して高台を登ったが、石垣はなく、少し残念である。
一関市には2つの渓谷がある
前日に厳美渓を見学したが、一関市には「猊鼻渓」もある。
猊鼻渓は、厳美渓とは逆方向にあるが、足を伸ばすことにした。
2つの渓谷の特徴は次のようである。
「厳美渓」は、名物の「空飛ぶだんご」や磐井川の浸食によって形成された奇岩、怪岩、深淵、甌穴など変化に富んだ景観が楽しめる。
「猊鼻渓」は、切り立った断崖が続く渓流を船頭さんが操る舟で下り、周囲の深い森に囲まれた壮大な景観が楽しめる。
猊鼻渓で舟下りを楽しむ
猊鼻渓に到着すると、船着き場は老夫婦以外誰もいなかった。
遊覧待ち時間はあったが、3人だけの臨時便を出してもらった。
舟はゆっくりと川上へ向かって進み始める。波は穏やかである。
砂鉄川の浸食でできた約100mの断崖は、両岸に聳え立ち、約2㎞の渓谷をなす。
舟の進む先々にそそり立つ数々の奇岩は、深山幽谷で幻想的でもある。
30分ほど川を遡ると、折り返し地点の船着き場に着く。
舟を下りて、船着き場では20分ほど休憩する。
しばらく川岸に佇み、奇岩絶壁と緑織りなす樹々を眺める。
日本百景の一つに数えられ、国の名勝になっているのも納得できる。
運玉投げに挑戦する
岸壁の中腹に突起部があり、そこは「獅子が鼻」といわれている。
川向うの岩に空いた眼のような穴がある。うん玉を放り投げ、見事入れば願いが叶うという。
「運玉」は5個100円。同舟の客が私に1個くれた。意外と遠くて届かず、勢い余って川に落ちた。
穴の上を狙って投げるのがコツのようだ。
船頭さんの舟歌を楽しむ
折り返し地点で川を下ると、次の舟便がやってきた。15名ほどが乗船している。
上りも下りも船頭さんの舵取りは竿一本だけ。
船頭さんの解説を聞きながら楽しむ往復約90分間の舟下りだが、
メインイベントは、船頭さんの歌う「げいび追分」である。
♪清き流れの砂鉄の川に 舟を浮かべてさおさせば~
渓谷に住む鳥たちもさえずりを忘れるほどの透き通った声である。
そそりたつ岩肌に響き渡り、旅情を一層高めてくれる。
のどかな舟下りが体験できて、満足する。
白石市内へ向かう
猊鼻渓を後にして、4号線(陸羽街道・奥州街道)で栗原市、仙台市へと走る。
さらに4号線を南西方向に走ると、白石市に着く。
市内には白石城、鎌崎温泉などのスポットがある。
鎌先温泉に泊まる
白石市内を走っていると、「鎌先温泉」の看板が見えてきた。
今夜は「温泉に浸かろう」と思いたち、山あいを走り、湯治場の雰囲気の残る「鎌先温泉」に18時到着。
鎌先温泉は、宮城県蔵王山麓の山間に、寛政年間から受け継がれる奥羽の薬湯として利用された温泉である。
各宿の軒先には「日本秘湯を守る会」の提灯がぶら下がっている。
今夜の宿は、鎌先温泉 最上屋旅館。今なお昔ながらの佇まいを残す木造りの和風旅館である。
源泉100%のかけ流しの湯は、薄茶褐色で温かく、気持ちが良い。
湯上りのビールがうまい!さっそくご馳走に舌鼓を打つ。
まとめ
岩手一関市出発:9時00分
宮城白石市到着:18時00分
走行距離:200㎞
給油料金:1,643円(@121円、13.58L)
宿泊施設:鎌先温泉 最上屋旅館
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