〈7日目〉日本縦断バイク旅―北関東・東北地方編

弘前市内~青森駅(走行距離138km)

東京を出発し、今日で7日目。
雨の中、弘前城に立ち寄り、曳屋された天守閣を眺める。
岩木山を一周したあと、津軽岩木スカイラインを走る。
つづら折りのカーブを上りつめると、八合目は雲海となり、風が轟く
天候不順のため、早めに青森駅前で宿を取る。

雨の中、弘前城へ

2017年7月16日(日)9時45分、ホテルを出るときは小雨。弘前城に着くと本降りとなる。
駐車場を探すため城外を一周する。なかなか見つからない。
もう一周し、有料の駐車場を見つける。屋根付きでありがたい。

駐車場で傘を借り、天守閣まで歩く。
敷地に排水溝がないのか、至る所に雨溜りができている。あっちに寄り、こっちに寄りと、まともに歩けない。シューズの中が浸みてきた

曳屋された弘前城を見学

弘前城は津軽氏の居城。江戸時代に建築された天守や櫓などが現存し、国の重要文化財に指定されている。現存天守は小規模だが、東北地方唯一のものである。

昭和58年に起こった日本海中部地震の影響で、城の石垣が孕み、天守閣全体が傾斜する。
現在、天守は約70m本丸の内側へ曳屋されて、石垣の理工事中だった。
耐震補強された城の内部を見学する。
日本海中部地震とは、秋田県能代市西方沖80km の地点で発生した逆断層型の地震である。

田んぼアートを知る

駐車場に戻ると、ハーレー多摩ナンバーの2人組が入ってきた。休みを利用し、青森県南津軽郡田舎館村の「田んぼアート」を見にきたと話す。

田んぼをキャンパスに見立て、色の異なる稲を絵具代わりに巨大な絵を描く「田んぼアート」。
平成5年に3色の稲でスタートし、年々技術が向上し、今では7色の稲を使いこなし繊細で綿密なアートを作り上げているようだ。

岩木山を一周する

3号線で岩木山方面へ向かい、岩木山を反時計回りで一周するため、30号線に入る。
雨はヘルメットをバチバチと叩きつける。
大粒の雨の中、往来する車はなく、岩木山を一周するようなライダーもいない。

一直線の道がどこまでも続き、アップダウンもあり、雨天だがそれなりに快適だった。
快走路を過ぎると、道は狭くなり、山道はダートで、くねくねとカーブが続く。
この難所を過ぎると、津軽岩木スカイライン入口に差しかかる。奥の入口で料金¥1,050を払う。

津軽岩木スカイラインで八合目を目指す

津軽岩木スカイライン(約9.8㎞)は、岩木山の八合目まで上る有料自動車道である。
日光いろは坂のように、69あるつづら折りのカーブを走る。
昭和40年開通の路面は傷んでおり、補修後の平面も凸凹で走りにくかった。
上に行くほど霧が濃くなり、前が見えにくくなる。

八合目の休憩所に着くと、周囲は濃霧となり、風が轟く。バイクを停められる状況ではない。
車が一台だけ止まっていた。
目的は達したので、すぐさま引き返す。
かつて、濃霧と強風で行く手を阻まれた龍飛崎でのツーリングを思い出す。

岩木山の魅力とは

吉幾三の「津軽平野」という歌がある。津軽の岩木山や出稼ぎの情景が目に浮かぶ歌である。
岩木山は青森県の最高峰。標高は1,625m、円錐形で津軽富士とも称されている。

ガイドブックによると、「晴れの日は、八合目の休憩所から岩木山山頂が目の前にそそり立ち、北は遠く北海道の松前津軽半島の権現崎と十三湖、なだらかな弧を描く七里長浜鯵ヶ沢から大戸瀬が見渡せる」という。

青森駅前で宿を取る

3号線で弘前市街に戻り、7号線(羽州街道)を延々と北上する。途中、道の駅「なみおか」で昼食。雨が止んだので、レインウェアを脱ぐ。

今日のツーリングは早めに切り上げ、青森駅前のホテルで泊まることにした。
大浴場で汗を流したあと、ホテル近くの青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」まで散歩する。
営業時間を過ぎており、船内は見学できなかった。八甲田丸は黄色い船体だった。

まとめ

弘前市内出発:9時45分
青森駅前到着:16時00分
走行距離:138㎞
給油料金:給油なし
宿泊施設:ホテルルートイン青森