〈9日目〉日本縦断バイク旅―北関東・東北地方編

盛岡駅~岩手一関(走行距離119km)

盛岡城址を見学後、道の駅 「石鳥谷」で田んぼアートを見る。
宮沢賢治記念館を見学後、「山猫軒」で昼食。
雷が鳴り響き、大粒の雨が降り出す。
そして、雨二モマケズ、平泉の二大寺院:中尊寺毛越寺へ向かう旅である。

盛岡城址公園を見学

2017年7月18日(火)。朝方、晴れ。8時40分、盛岡駅前のホテルを出発。
5分くらい走ると、盛岡城址公園に到着。城に近づくと壮大な石垣が目に入る。
盛岡城は、北上川と中津川の合流地点に位置する丘陵地に築城され、盛岡藩・南部氏の居城である。

本丸と二の丸の間の堀切に設けられた朱塗りの渡雲橋を渡る。
様々な積み方の石垣が混在し、個性的な石垣の表情を見比べながら歩く。
石垣ファンなら見逃せない城である。

田んぼアートを見る

盛岡城址を出て、4号線(奥州街道・陸羽街道)を花巻市に向かって南下する。
途中、道の駅「石鳥谷に立ち寄る。ここは奥州街道の宿場町で、南部杜氏発祥の地である。
近くを東北本線が走る。線路向こうの田んぼに、宮沢賢治の作品注文の多い料理店」と「ようこそイーハトーブへ」の絵文字が描かれている。

青森県南津軽郡の「田舎館村田んぼアート」とは規模は違うだろうが、見事である。
稲の生育とともに、水田のキャンパスに巨大なアートが浮かびあがり、日々変化する色合いが楽しめるようだ。

宮沢賢治記念館を訪ねる

4号線をさらに南下し、花巻市あたりで左折。花巻市出身の宮沢賢治記念館を訪れる。
施設内はスクリーン映像があり、5分野(宙、化学、芸術、農、祈)に分類した関係資料の解説や作品に至る創作過程などを展示紹介している。
落ち着いた雰囲気の中、多彩なジャンルに及ぶ宮沢賢治の世界に触れることができた。

注文の多い料理店「山猫軒」で昼食

宮沢賢治の有名な童話に「注文の多い料理店」がある。
敷地内に教会風な建物があり、注文の多い料理店「山猫軒」というレストランで昼食をとる。
食事後、駐車場で出発の準備をしていると雷が鳴りだしてきた。
今にも雨が降りそうな気配なので、事前にレインウェアを着る。

4号線へ向かう途中で大粒の雨が降り出す。
雨二モマケズ、夏ノ暑サ二モマケヌと唱和しながら、北上市へ向かう。
途中、銘菓 北上夜曲大船渡の看板を見る。
4号線を金ヶ崎、水沢、奥州市へと走ると平泉町の中尊寺に着く。

平泉中尊寺を見学

ガイド情報に「世界遺産の中尊寺は、奥州藤原氏三代ゆかりの寺として著名である。金色堂に藤原清衡、基衡、秀衡の3代のミイラが安置されている。平安時代の美術、工芸、建築の粋を集めた金色堂を始め、多くの文化財を有する」とある。

4号線から県道30号線を走り、中尊寺の坂下に到着。中尊寺は標高130mの東西に長い丘陵に位置している。
月見坂」の入口から、参道両脇の樹齢300年を超える杉並木の参道を歩く。老杉が木陰を作り、荘厳な雰囲気の中、本堂・金色堂へと進む。

宝物館「讃衡蔵」までの道のりに様々なお堂が点在する。讃衡蔵を見学中、雨が降りだす。拝観券発行所でビニール傘を借りる。

金色堂に足を踏み入れると、金箔の装飾に目を奪われ、螺鈿細工・蒔絵などの漆工芸や精緻な彫金など平安仏教美術に魅了される。
しばらくすると雨が止み、傘を返す。 折り返して、中尊寺鎮守のひとつ白山神社の能学殿も見て回る。

毛越寺を見学

もう一つの世界遺産である毛越寺を見学。
説明板に「広大な敷地には、かつて幾つかの堂舎が並び、その前庭に大泉が池を中心とする浄土庭園が配されていた」とある。
奥州平泉文化を代表する中尊寺と毛越寺。誰が言ったのか忘れたが、こう表現している。

中尊寺が自らの極楽浄土への思いを具現化し、ある種の自己満足の世界であるならば、
毛越寺は対外的な顕示欲を満たす寺院かもしれない。

2011年に両寺は、世界遺産登録されている。
時の権力者がこの事実を知れば、さぞびっくりするだろう?

厳美渓を見学

毛越寺から20分位で一関の「厳美渓」に着く。
峡谷は、石英安山岩質の岩石が滝や川の流れに浸食されて後退し、数多くの甌穴と峡谷との生成関係をなしているようだ。
川を渡す吊橋を歩くと揺れ、不気味な感じを覚えた。
渓谷の一部分ではあるが、大自然が織りなす景観を楽しむ。

吊り橋手前の道路側に温泉神社がある。鳥居をくぐり、参拝する。
中尊寺の駐車場係員が「一関に泊るなら、インター近くにビジネスホテルが2軒あります」と教えてくれた。
今日は、岩手一関インター近くで泊まる。

まとめ

盛岡駅出発:8時40分
一関IC到着:17時30分
走行距離:119㎞
給油料金:給油なし
宿泊施設:チサンイン岩手一関インター