〈３日目〉日本縦断バイク旅―北関東・東北地方編

2022年4月25日

会津若松～米沢市（走行距離101km）

会津武家屋敷を見学

2017年7月12日（水）。朝、出発の準備をしていると雨が降ってきた。
バッグに防水カバーをかけ、レインウェアを着ていると、雨は止んだ。
またレインウェアを脱ぐ。バイクの場合、着たり脱いだり、仕舞ったりと面倒である。
出発準備に手間取り、9時20分に東山温泉ホテルを出る。

ホテルから数分走ると「会津武家屋敷」に到着。
この屋敷は、会津藩23万石の家老・西郷頼母邸を復元した施設を中心に、福島県の重要文化財を含む歴史的な家屋や資料館からなる歴史テーマパークとなっている。
敷地内では、当時の会津武士たちの生活ぶりが再現されている。

飯盛山・さざえ堂を見学

会津武家屋敷から約10分で飯盛山に着く。
飯盛山は、会津若松市の中心部から少し東側にある標高314mの小高い山。
戊辰戦争の際に白虎隊が自決した悲劇の物語の舞台でもある。山頂から会津の城下町を見渡す。

この名所に白虎隊十九士の墓と高さ16.5mの六角三層のお堂である「さざえ堂」がある。
堂内は螺旋構造の回廊となっており、上りと下りが交わらない。
順路に沿って三十三観音や百観音などが配置され、堂内を進むだけで巡礼が叶うような構造となっている。
建築史上その特異な存在が認められ、平成8年に国重要文化財に指定されている。

鶴ヶ城（会津若松城）を見学

つぎに鶴ヶ城（会津若松城）を見学。
地元では鶴ヶ城と呼ばれているが、同名の城が他の県にもあるため、地元以外では会津若松城と呼んでいるようだ。
幕末の戊辰戦争で有名なこの城は、明治7年に取り壊されている。
昭和40年に5層の天守閣が復元され、平成23年には天守閣の屋根が赤瓦に吹き替えられ、幕末当時の姿を取り戻している。

天守閣の内部は郷土博物館となっており、会津の多彩な歴史資料が展示されている。
館内には、多くの観光客や中学生の団体がいて、天守閣までスムーズに上がれない。

喜多方でラーメンを食べる

会津若松を出て、喜多方方面へ向かう。121号線の会津縦貫道を走ると喜多方市に到着。
喜多方駅の観光案内所でマップを手に入れる。
福島のラーメンといえば、「喜多方ラーメン」。日本三大ラーメンの一つに挙げられている。
基本的には、醤油味ベース。さっそく、「ラーメン来夢」で喜多方ラーメンを食べる。
今日の暑さで喉はカラカラ。ペットボトルに冷水を補給させてもらう。

喜多方は、江戸時代に会津若松と米沢を結ぶ街道の要衝として栄え、土蔵等など昔の町並みが多く残る。
「小田付（おたづき）蔵通り」を北へ進み、121号線（米沢街道）と合流する。

喜多方から米沢市へ入る

喜多方から米沢に向かう道は、高速道路のように整備されている。
6本のトンネルと3940ｍの大峠トンネルを抜けると、福島県から山形県に入る。
さらに、深緑の山中を走り、左右の彩り豊かな景観が遠くまで続く。

道の駅「田沢」（なぎさの郷）で休憩する。
ソフトクリームを買って外で食べる。暑くて解けるのも早い。　
田沢を出ると人家もまばらになり、やがて一般道路のような景色になってきた。
121号線（八谷街道・会津街道）を山形方面へ進むと、「米沢市内」の標識が見えてきた。

あっ、財布がない！

米沢市内に入り、上杉神社の駐車場に到着。
ウエストポーチの中を開けると、財布がないことに気づく。
「あっ」と思いだし、道の駅「田沢」（なぎさの郷）をネットで調べ、電話をする。
電話口で「黒い長財布ですよね、交番に届けています」と言われ、引き返す。
すでに交番から取り寄せてもらっていて、無事財布を手にする。
お礼を言い、安堵の気持ちで上杉神社へ戻る。
会社員時代、定期券を2度落としたことがあるが、いずれも戻ってきた。
「日本は、素晴らしい国だ」とつくづく思った。

上杉鷹山像を見上げる

松が岬公園に戦国時代の名将・上杉謙信公を祭神とした上杉神社がある。
散策中、上杉鷹山公の像の前で、「なせば成る、なさねば成らぬ～」の石碑を見かける。
堀に沿い、米沢城本丸跡の南側に架かる朱色の太鼓橋「菱門橋」を渡る。
謙信が用いた「毘」「龍」の旗が上杉神社参道にはためく。

松が岬公園を後にして、少し戻ると上杉家御廟所がある。
杉木立の中に、謙信公から22代藩主までの廟が整然と立ち並ぶ。
あたりは森閑とした雰囲気が漂う。
上杉家管理事務所の人とバイク談義で話が弾み、米沢駅周辺の宿を紹介してもらう。
JR米沢駅に立ち寄り、ホテルを予約する。

まとめ

東山温泉出発：9時20分
米沢駅前到着：17時30分
走行距離：101㎞
給油料金： 給油なし
宿泊施設：東横イン米沢駅前